Caloo人間ドック

麻酔と鎮静をしっかり行うことで苦痛の少ない内視鏡検査へ

苦痛の少ない内視鏡検査で早期がんの発見を目指す

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慶應義塾大学病院 内視鏡医 井上 詠 先生 -Vol. 02-

井上 詠

慶應義塾大学病院(以下、慶應病院)の人間ドックでは1人の医師が一日で行う内視鏡検査数の平均が8件程度を伺いました。

厳密に限定しているわけではないのですが、8名前後です。しっかりと麻酔や鎮静の処置をして内視鏡検査を行うと、午前中に一人の医師が行える件数は10人程度が限界だと思います。

件数をこなそうと思えば15人から20人近くまで可能だと思いますが、そうしますと麻酔や鎮静の処置が十分にできないので、受診者の方の負担も大きくなると思います。

内視鏡を受診される方に対する負担への対処としてどのようなことをされていますか?

麻酔と鎮静をしっかりと行うことです。内視鏡が通過する喉の粘膜にしっかり麻酔をかけることと、鎮静と言いまして意識レベルを少し落とすお薬も使います。

麻酔や鎮静は人によってかかり方に違いがでますし、検査のつらさに対する耐性も人によって様々です。そこで問診の際に、今までの検査経験をしっかりとお伺いしてお一人おひとりにあった麻酔の種類や量を考えています。

また、内視鏡にもいろいろな太さがあり、当院では主に直径9.2ミリの内視鏡を使用するのですが、問診などをした結果で、ちょっとつらそうだなという方には7.9ミリのワンサイズ細い内視鏡を使うなど受診者の方に合わせた使い分けも行っています。

井上 詠

麻酔や鎮静を行う効果はどの程度ございますか?

全く苦痛を感じないという方は半分以上だと思います。多少苦痛を感じたとしてもそれが許容範囲内、もしくは今まで受けた検査よりも楽だったということで、次回の内視鏡検査も慶應病院の人間ドックでお願いしますという方が多いです。

ただし、喉の状態や検査に対する感受性は人によって異なるのでどうしてもつらかったというケースが全くないというわけではないと思います。

大腸内視鏡の際も麻酔や鎮静を行うのでしょうか?

大腸の場合は鎮静剤というよりは、痛み止めの麻酔を使います。大腸内視鏡に関しては痛みや不快感にかなり個人差が出てきますので、痛がりやすい方には鎮静剤も追加しています。

経鼻内視鏡を使われていない理由はなぜでしょうか?

経鼻内視鏡は、鼻から通す内視鏡で、メリットとしては喉の違和感が少ないことです。それは内視鏡が通過する場所が違うからということと、内視鏡自体が細いからという二つの理由からです。

デメリットとしましては、鼻を通ることで鼻から出血することがあります。特に女性の方ですと鼻の穴が狭いですからトラブルになることが多いです。

また、経鼻内視鏡は細いので内視鏡の画質が通常の太さの内視鏡に比べてやや落ちます。診断に困るレベルではないのですが、細かい部分での診断が少し難しくなることがあります。

操作性も内視鏡が細いため良くありません。ある程度の太さと硬さがないと先端の部分に力が伝わりにくく、観察したいところへ内視鏡を持っていくのが大変ということがおこります。

このようなメリットとデメリットを考慮しまして、当院では経鼻内視鏡ではなく口からの内視鏡を選択しています。そのかわりに鎮静をしっかり行って口からの内視鏡でも苦痛の少ない内視鏡検査を目指しています。

【次ページ】食道がん、胃がん、大腸がんも内視鏡での早期発見で低侵襲の治療が可能
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