Caloo人間ドック

食道がん、胃がん、大腸がんも内視鏡での早期発見で低侵襲の治療が可能

苦痛の少ない内視鏡検査で早期がんの発見を目指す

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慶應義塾大学病院 内視鏡医 井上 詠 先生 -Vol. 03-

内視鏡は医師によって技量の差がでやすいと思うのですがいかがでしょうか?

経験による差は出てくると思います。当院の人間ドックでは日本消化器内視鏡学会認定の専門医もしくは指導医で経験の豊富な医師が担当しています。

経験の少ない医師でも明らかな見落としはないと思いますが、非常に早期の微妙なレベルの食道がんや胃がんを指摘できるかどうかについては差が出てくると思います。また、内視鏡操作の技術、麻酔、鎮静の使い方で経験の差が出てきますので、受診の方にとっても経験のある内視鏡医の方がつらさや不快感が少ないと思います。

また、内視鏡医の技量だけでなく施設の方針によっても変わってくることがあります。例えば小さなクリニックですと麻酔による偶発症の発生を恐れて強い麻酔をかけることを避けることがあります。

また、一人の医師が一日に多くの件数を行う必要がある施設では、麻酔や鎮静に時間をあまりかけられないので、結果として受診者の方につらさや不快感が出てしまうこともあると思います。

優れた技量を持った内視鏡医でも、どのような方針の施設で内視鏡検査を行うかで、受診者の方の負担は変わってくると思います。

慶應病院の人間ドックにおける内視鏡検査の特徴とはどのような点でしょうか?

内視鏡検査そのものは、一流の人間ドックで行っているものと大きく変わることはないと思います。内視鏡の機械は日本で圧倒的なシェアを誇っているオリンパス社製ですので、どの医療機関でも変わりませんし、内視鏡の専門医をしっかり揃えている医療機関も多いです。

慶應病院の人間ドックの一番の特徴は、大学病院の併設の人間ドックであることだと思います。慶應病院ではがん診療に重点をおいて取り組んでおり、腫瘍センター長でもある北川雄光教授(一般消化器外科)を中心にがん診療連携拠点病院に指定されています手術・抗がん剤治療だけでなく低侵襲のがん治療にも力を入れています。

低侵襲のがん治療はこれから主流になっていくと思われるもので、患者さんへの負担も小さくなります。例えば内視鏡によるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などです。

ESDは早期の食道がん、胃がん、大腸がんに適応されるのですが、早期がんであればかなり大きいものであっても開腹手術を行わず内視鏡のみでがんを全てそぎ取ることが可能です(適応とならないケースもあります)。

短期間の入院は必要になりますが外科的な手術が必要なく体への負担はかなり軽減されます。

当院の人間ドックで早期がんが見つかった場合はスムーズに低侵襲のがん治療を得意とする慶應病院へ治療の部分をバトンタッチしていけるという点が強みになると思います。

基本的な診療情報も電子カルテによりデジタル化して共有しておりますので、人間ドックで行った検査を不必要に繰り返すということもございません。

もちろん、進行したがんが見つかり外科的な治療が必要という場合でも、速やかに外科の先生にご紹介することが可能です。

これまで人間ドックで内視鏡検査をされていて良かったなという具体例がございましたら教えて頂けないでしょうか?

やはりがんを見つけたときです。特に早期の段階で食道がん、胃がん、大腸がんを見つけたときです。人間ドックの場合は症状がない状態で受診されますので、その状態で見つけたがんは早期のものであることが多いです。

早期のがんであれば、先ほど申し上げたような内視鏡を用いた体への負担が少ない治療を受けられる可能性も高くなります。

胃が痛いとか大腸から出血しているという状態で病院へ来られて内視鏡検査をした結果、がんが見つかった場合には進行がんであるケースが多く、体への負担が大きい治療が必要になることが多いです。

内視鏡検査はどのような方が受けた方がよい検査でしょうか?

内視鏡検査は胃がん、大腸がんが増えてくる年齢的なことを考慮すると、50歳以上の方にはぜひ受けて頂きたいです。

また、タバコを吸われる方、多量の飲酒をされる方、特にお酒を飲むと顔が赤くなる方は食道がんのリスクが高くなっていますので、ぜひ内視鏡検査を受けて頂くことをお勧めします。

井上 詠
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