脳PETでは認知症もわかる。脳MRIとの組み合わせで相互補完
大学病院ならではのPET検査で早期がんの発見を目指す
今月アクセス数 21 件
日本医科大学・健診医療センター 石原 圭一 センター長 -Vol. 03-
全身PET検査と脳MRIを組み合わせた検査コースがあると思うのですが、どのような利点があるのでしょうか?
PET検査で脳をみると認知症のような変性疾患は早くからよくわかるのですが、それ以外の脳血管障害(脳梗塞、脳動脈瘤など)や脳腫瘍のような病気の発見には、MRIは非常に優れていますから、この2つの検査を行うことで脳の病気はほとんど網羅できることになります。
なぜPET検査で脳をみると認知症がわかるのかと言いますと、脳は通常の細胞と異なりブドウ糖のみを消費するからです。そのため、PET検査中も脳の活発に動いている部分にはブドウ糖が集まりますので、PETで撮影すると光ってみえます。
認知症の方は脳の活動が弱くなっておりますので、ブドウ糖の集まりが悪く光ってみえません。このようにしてPET検査を通して認知症の可能性をスクリーニングすることが可能です。
脳PETという検査もございますが、全身PETでは脳はみないのでしょうか?
全身PET検査でも脳は撮影します。しかし、脳PETではさらに細かく撮ります。全身PETで脳を撮影してもある程度進行した認知症しかわかりません。脳PETを行うとかなり早い段階から見つけることができます。