PET-CT検査で全身の早期がんの発見を目指す
全身の早期がんを一度に調べられるPET検査
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日本医科大学・健診医療センター 武井 めぐみ 技師 -Vol. 01-

武井めぐみ
診療放射線技師
第一種放射線取扱主任者
日本放射線技術学会所属
2009年より日本医科大学健診医療センター勤務
PET検診のメリットについて教えて頂けますか?
非侵襲的かつ簡便な検査で全身の早期がんを検査できる点です。検査の手順としましては、お薬を注射して1時間安静にして頂きます。その後、検査に入るのですが、検査自体は20分ほど機械の中で寝て頂くだけです。
痛みを感じるのは注射のところのみです。注射するお薬も砂糖水のようなものですので副作用はほとんどありません。
検査時間も全体を通しても2時間半程度です。その短時間で頭からももの中心までほぼ全身を撮影して検査できるというのは大きなメリットだと思います。
また、当院の検査はPETとCTを同時に撮影するPET-CT検査です。そのためかなり小さい異常まで見つけ出すことができると思います。これはPET-CT検査がPETとCTの双方の良いところを生かした画像をみながら医師が総合的に判断できるからです。
単体のPET検査、CT検査とPET-CT検査とではどのような違いがありますか?
PET検査はがん細胞に集まっているブドウ糖をみる検査ですので、糖代謝の情報しか得られません。CT検査では糖代謝はわかりませんが、形態画像ですので、異常部分がどのような構造になっているかというところがしっかりわかります。
PET-CT検査はPETの画像とCTの画像をコンピューターで重ね合わせて一枚の画像としても見ることができます。そのため糖代謝情報の画像と構造の画像のそれぞれの良い面を引き出し総合的に判断することができます。
PET検査のデメリットはございますか?
PET検査にも見つけるのが不得意ながんがあることです。特に粘膜性のがんである胃がんはかなり苦手です。
また、腎臓がん、膀胱がんなども不得意です。これは注射したお薬が体の中を回るのですが、尿と一緒に排泄してしまうので、尿の通る場所はブドウ糖が蓄積されないためです。
このため他の検査やオプションと組み合わせて人間ドックを受けて頂くとよいと思います。胃がんでしたら内視鏡検査(胃カメラ)をオプションで付けることが可能です。
また、被ばくを気にされる方もおられます。PET-CT検査はPETとCTの双方とも被ばくをする検査だからです。当院ではCTによる被ばくを少なくするため通常より線量をかなり落とすなどして、なるべく被ばくをしないように工夫して検査をしています。